スパーリングのコツって? ボクシング上達に役立つ5つの基礎知識!

近年の健康ブームや去年から新しく開催されているWBSS(ワールドボクシング・スーパーシリーズ)の影響などもあり、新たにボクシングを始める方が増えているようです。しかし、いざ入会してスパーリングをやってみると思い描いていたような動きができず、理想と現実のギャップに悩んでしまうケースも珍しくはありません。そこで、今回はスパーリングを上達させるコツをご紹介します。

  1. ボクシングのスパーリングとは?
  2. スパーリングの方法
  3. スパーリングを上達させるコツとは?
  4. これからボクシングを始める方へ
  5. ボクシングに関するQ&A

この記事を読むことでボクシングのスパーリングを上達させるコツを学ぶことができます。スパーリングの基礎を学んでライバルに差をつけましょう!

1.ボクシングのスパーリングとは?

まずはスパーリングがどういうものなのかを知ることが第一歩です。理解を深めてより質の高いスパーリングが行えるようにしましょう。

1-1.そもそもスパーリングって何?

スパーリング(スパー)とは英語の「spar(口論)」を語源とした言葉で、ボクシングなどで行われる実戦練習のことです。一般的にはヘッドギアなどの防具をつけて行い、練習相手のことはスパーリングパートナーと呼びます
肉体自体の鍛錬ではなく対人技術を磨くことが目的です。試合を控えている場合には、敵選手と似た体格や戦い方のスパーリングパートナーを立てるなど、特定の相手に特化したスパーリングを行うこともあります。
スパーリングはボクサーにとって最も重要な練習の一つです。どれだけ質の高いスパーリングを行ってきたかが試合内容に直結するとも言われています。

1-2.メリット

1-2-1.実戦感覚を身につけられる

サンドバッグをたたくのがいくらうまくなっても、それではボクシングがうまいということにはなりません。なぜなら、人はサンドバッグとは違って避け・守(まも)り・攻撃してくるからです。スパーリングをすることで、相手との間合いのはかり方・自分のパンチの距離感・体の使い方・ペース配分など対人戦に必要な感覚を身につけられるようになります。

1-2-2.相手にパンチを当てることへの忌避感(きひかん)をなくす

サンドバッグでは力強く打てるのに、いざ人間相手となるとなかなか力強く打つことができないという経験をしたことはありませんか?
ルールのあるスポーツだと頭では理解していても、慣れないうちはどうしても「殴る」という行為に忌避感を抱いてしまうものです。無意識に力をセーブしてしまったり動きが固くなったりしてしまいます。しかし、人は慣れる生き物です。繰り返しスパーリングを行うことで殴るという行為に対する忌避感をなくしていくことができます。

1-2-3.自分が殴られることへの恐怖心を軽減させる

人は痛みや苦しみに対して恐怖心を抱きます。ですから、自分が殴られることを恐れるのは正常なことです。しかし、ボクシングは自ら殴り合いの場に身を投じるスポーツですから、この恐怖心をいかに克服するかが重要となってきます。
とはいえ、恐怖心を完全になくすことはできません。実際、世界チャンピオンクラスでも恐怖心を完全に克服している人はいないと言われています。そこで、重要なのがスパーリングです。スパーリングを繰り返すことで痛みや苦しみに体を慣らし、恐怖心を軽減させることができます。

1-3.デメリット

1-3-1.実力差が離れていると逆効果になることがある

強すぎる相手とスパーリングをすると、自分のしたいことが何もできないので訓練になりません。かといって、弱すぎる相手だと練習になりませんし、相手の下手な動きに慣れて変な癖がついてしまう可能性があります。

1-3-2.怪我のリスクがある

スパーリングは基本的にヘッドギアなどの防具をつけて行います。それでも、実戦練習という特性上、常に怪我をする覚悟をしておかなければいけません。鼻血や口の中を切ることは日常茶飯事ですし、ときには尾骨や顎、肋骨(ろっこつ)などを折ることもあります。

1-4.マスボクシングとの違い

スパーリングに似た形式の練習にマスボクシングというものがあります。どちらも同じようにリング上で行う対戦形式の練習ですが、マスボクシングはスパーリングと違ってパンチを当てません。当てるとしても触れる程度の軽いものに抑えて行います。マスボクシングは、主にパンチを繰り出すタイミングや距離感を覚えることを目的とした練習です。

2.スパーリングの方法

スパーリングには正しいやり方があります。適当にやると怪我(けが)の原因にもなるので、セオリーを守りましょう。

2-1.必要な道具

スパーリングで最低限必要なのは以下の4点です。

  • ボクシンググローブ
  • リングシューズ
  • マウスピース
  • ヘッドギア

ヘッドギアとボクシンググローブは基本的にジムで借りることができますが、マウスピースは自分でそろえなければいけません。シューズはジムによっては貸し出している場合もあります。
このほかの道具としてはファールカップが挙げられるでしょう。必ずしも必要ではありませんので、優先順位は低めです。

2-2.スパーリングのやり方

ジムによっても違いますが、初心者のうちは1ラウンド3分、インターバル1~2分を1~3回が基本となります。一見簡単そうに思われるかも知れませんが、たったの1~3ラウンドでも全力で戦うと意外と体力を消耗してしまうものです。初心者の方は1ラウンドをこなしただけでスタミナが切れてしまうことも珍しくはありません。最初は1~2ラウンドを目安にし、徐々にラウンド数を多くしていくことを目標としましょう。

2-3.怪我に注意しよう

スパーリングは怪我の危険があります。ふざけていると思わぬ大怪我をしかねません。必ず防具を装着して集中して行いましょう。また、体に何かの異常を感じたらすぐにスパーリングを中止して病院に行くようにしてください。

3.スパーリングを上達させるコツとは?

この項目ではスパーリングを上達させるコツをご紹介します。しっかり押さえてライバルたちに差をつけましょう!

3-1.自分よりも少し実力が上の相手と戦う

スパーリングを上達させるために一番効率的なのは、自分よりも少し上の相手とスパーリングを行うことです。自分の実力を出せつつ苦戦するので練習として効果が高く、手の届く明確な目標になるのでモチベーションの意地にもなります。また、実力が近いことで、今自分が劣っている部分が何なのかも把握しやすいのも利点です。ちなみに、実力が自分よりもかなり上の相手であっても、うまに手加減してもらえれば効果はあります。一番良くないのは実力が下の相手とばかり戦うことです。お手本にならないので実力が向上しません。それどころか、相手の実力まで落ちてしまうこともあります。

3-2.苦手なことから逃げない

いくら大きな武器を持っていても、大きな弱点があると強いボクサーにはなれません。たとえば、現在バンタム級を席巻(せっけん)している三階級王者の井上尚弥選手も、かつてアマチュアボクシングの全日本選手権・決勝で弱点のボディーを責められ続けて大敗したことがあります。この完敗した試合を振り返った井上選手は「練習に取り組む姿勢が変わった。(あの試合がなければ)プロで苦戦しています」とテレビの取材で語りました。くしくも翌年の全日本選手権・決勝でも同じ選手と当たりましたが、1年の間に弱点を完全克服していた井上選手はこの試合に大勝しています。
自分の苦手なことから避けたくなるのは当然です。しかし、だからといって逃げ続けていては進歩はありません。それは初心者であろうと偉大なチャンピオンであろうと同じことです。スパーリングでは積極的に苦手分野に取り組むようにしましょう。

3-3.ビデオ撮影する

今やプロボクサーもビデオ分析するのが当たり前です。自分がどのような動きをしているのかを客観視することができるため、トレーナーの言っていることなども理解しやすくなります。また、ビデオに撮っておけば自宅に帰った後などにも勉強ができますし、ほかの人と見比べることもできるのでとても便利です。

4.これからボクシングを始める方へ

これからボクシングを始めたいと思っている方々に知っておいてほしい情報をまとめました。ぜひ、参考にしてみてください。

4-1.ボクシングの魅力って何?

4-1-1.護身になる

ストーカー・痴漢・喝上げ・イジメ・誘拐などなど、治安のいいと言われている日本でも日々犯罪行為は行われています。ときには命を奪われる事件に発展することもあるでしょう。ボクシングを習っていれば、いざというときに自分の身を守ることができます。

4-1-2.闘争本能を満たすことができる

人には誰しも闘争本能があります。闘争本能があるからこそ人は競技というものを産み出してきました。この観点から見ると、自分の肉体によって直接的に相手を打ち倒すことのできるボクシングは理にかなっているといえるでしょう。

4-1-3.健康維持に役立つ

ボクシングは非常に優れた運動で、有酸素運動と無酸素運動をバランス良く行うことができます。つまり、筋肉をつける目的でも体重を減らす目的でも効果が期待できるということです。メタボリックシンドロームなどの生活習慣病を改善したい方や予防したい方はぜひボクシングを始めてみてくださいね。

4-2.向いている人

4-2-1.手足が長い

ボクシングでリーチの長さは大きなアドバンテージになります。また、足が長いと踏み込みが深くなる上、ボディーが狭くなるので有利です。身体的にボクシングに向いていると言えるでしょう。

4-2-2.筋トレが趣味

筋トレによって肉体がある程度できていることもありますが、何よりもつらいトレーニングをストイックに続けることができているということがポイントです。ボクシングの練習はスパーリングなどの派手な練習だけでなく、走り込みや縄跳びなどの地味な練習もたくさんあります。筋トレを普段から行っている方は厳しい練習に耐える素養があると言えるでしょう。

4-2-3.スポーツ経験者

スポーツをしてきたかどうかは非常に大きなポイントです。スポーツ経験者は体の使い方を理解できているので、やはり未経験者に比べれば有利となります。特に、空手などの格闘技経験があると間合いの感覚や当て感など、さまざまな面で有利です。もちろん、スポーツ初心者の方でも、一から丁寧に教えてくれるジムは沢山あります。健康維持などの軽い目的でも問題ないので安心してください。

4-3.ボクシングジムのシステムについて

ボクシングジムは大きく分けて2種類あります。プロを養成することを目的としたジムと一般向けにボクシングを教えているジムです。プロ向けのジムでも一般会員はいますが、最優先はプロ選手の育成ですし、何よりもボクシング初心者には入りづらい雰囲気があります。一方、プロ向けではないジムは会員が皆一般人の方なので、初心者でも入門しやすく丁寧に教えてもらえるでしょう。
護身や健康維持を目的としているなら非加盟の一般向けジムがおすすめです。たとえばシャンピオンヌは一般向けのジムなので、一般の方のニーズに合わせたさまざまなコースを取りそろえています。

5.ボクシングに関するQ&A

Q.ボクシングジムの利用料金はどのぐらいですか?
A.プロを目指しているかなどによっても異なりますが、一般的には月額1万円前後のことが多いでしょう。たとえば、シャンピオンヌのレギュラーコースが月額10,800円(60歳以上は1,000円引き)です。

Q.法人向けのコースなどはあるでしょうか?
​A.ジムの規模などによっても異なりますが、法人向けコースを用意しているジムもあります。シャンピオンヌでも法人向けコースを用意しているので、ぜひご利用ください。

Q.見学や体験入会はできますか?
​A.ジムにもよりますが、ほとんどのジムで見学が可能です。体験入会についても行っているところが多いので、詳しくは事前にご相談ください。

Q.入会に年齢制限はありますか?
​A.一般的には小学生3~4年制程度から入会可能な場合が多いようです。また、原則として上限はありませんが、あまりに高齢な場合や持病を抱えている場合には入会できないこともあります。

Q.スパーリング等で怪我をした場合はどうなるのでしょうか?
​A.その場での応急処置などはジム側も手伝いますが、その後の治療費などに関しては、原則として自己責任となります。念のため、入会時に傷害保険と賠償責任保険に加入しておくようにしましょう。

まとめ

いかがでしたか? 今回はボクシングのスパーリングについてご紹介しました。スパーリングはボクシングの練習の中でも最も重要な練習の一つです。スパーリングがうまくなることはボクシングがうまくなることに直結しています。今回ご紹介した情報を参考に質の高いスパーリングを行って、ボクシングの技術をいっそう高めていってくださいね!